COC認証

COC認証

COC(Chain of Custody:加工流通過程の管理)認証とは

森林から産出された原材料が、適切に管理・加工されているか認証する制度

COC(Chain of Custody:加工流通過程の管理)認証とは、FM(森林管理)認証を受けた森林から産出された原材料を、適切に管理・加工しているかを第三者から審査を受け認証する制度です。

簡単に言いますと、認証材以外の材が混ざっていないかを審査します。混ぜても良い材も厳格に規格がありますので、その規格に則した材を混ぜて作っているか審査を受けます。

※2019年12月1日時点での国内COC認証取得者は1500社となっています。

審査対象は、製品所有権を保有する全ての事業体

終製品になるまでの間、製品の所有権を保有する全ての事業体が対象となります。

FM認証林から産出される工程から製材、加工、流通(問屋)までが対象となります。この認証取得者のチェーンが繋がる事で、認証製品とPRして販売する事ができます。チェーンが切れても販売は出来ますが、FSC認証製品として販売は出来ません。全ての工程で第三者のチェックが入っていないと混ざってしまうリスクがあるためです。

日本では、まだ認証の需要が少ないので、このような事はおきにくいのですが、海外では違法伐採材の輸入規制で罰則規定がある法律もありますので、ウッドロンダリング等のリスクの低い認証材を違法に増やして流通に乗せてしまう企業もあります。

FSCジャパンのニュースで、FSCとの認証停止、関係断絶などの記事が流れますが、FSCの規格を破り重大な指摘を受け、それでも改善しない場合、認証停止、関係断絶などの対応を受ける事になります。審査機関もチェックを受け認証停止(審査停止)になることもあります。

小売店は、PR用のFSCロゴを使用することが可能

取得を免除されているのは、製品の所有者が消費者にあたる小売店です。

小売店でもFSCマークを使って商品PRを行いたい場合は、FSCジャパンに申し込みを行い、PR用のFSCロゴを使用することが可能です。詳しい説明は「FSC広告宣伝ラベルのページ」を参照ください。
FSC広告宣伝ラベルはこちら

建築物などのプロジェクトの為の認証、プロジェクト認証があります。この規格は、FM認証林から産出された認証材を使用していれば、最終製品を認証製品として認める事は可能ですが、1回限りの認証で造られる物に対する認証です。COC認証は事業体を認証しますが、プロジェクト認証は物が対象です。
プロジェクト認証はこちら

COC認証取得のメリット

SDGsへの参加

FM認証を取得する事によって、SDGsの15番「陸の豊かさを守ろう」以下様々な番号に貢献します。FSC事務局からも詳しい資料が紹介されています。
SDGsの達成に貢献するSFC

違法伐採材などの調達リスクの回避

EUでは、違法伐採材調達に関して罰則規定のある法律があり、米国でも同じく罰則規定のある法律が存在します。日本も法律は施行されましたが、罰則規定が無く周知が進んでいないのが現状です。しかし、今後日本でも規制が厳しくなれば、優先的に調達されることが予測されます。

流通の繋がり強化

FSC認証は、同じ理念を持ったFM認証からCOC認証取得者へと木材などが流通していきます。認証材を通してサプライチェーンのつながりが強くなり、情報収集や発信、イベントなど協業などができやすい関係を構築しやすくなります。

COC認証の課題

国内の紙製品に関しては、上場企業が調達目標に上げるなど認知や調達が進んでいますが、木材製品に関しては、まだまだ需要は少ない状況です。COC認証取得者は約1200社ぐらいありますが、実績(認証製品の取り扱い)が無い認証取得者も多いです。

また、審査には費用と事務作業が必要で、この点も認証製品に転嫁する事が難しい課題があります。FM認証よりは、認証費用も少なく商品の差別かも図りやすいので取得しやすいのではと言われていますが、まだ国内の需要は少ない状況です。